耳より医学(病気の解説)

2023-04-15 06:04:00

外耳道炎に注意

    夏は海水浴やプールで泳ぐ機会が多く外耳炎を起しやすくなります。外耳道には耳垢があり、細菌も存在します。水泳時外耳道に水分が浸透しふやけ炎症を起こします。 

症状かゆみ痛みが一般的ですが程度により腫れが強い場合には外耳道をふさぐために難聴を引き起こすこともあります。

治療は程度にもよりますが局所を清潔にし、軟膏や点耳薬で適切な治療を行なえば1週聞程度で完治します。また、原則として泳いだときに耳に水が入り中耳炎になることはありません。中耳は鼓膜の内側で鼓膜が正常な場合には中耳に水が入らないからです。しかし、耳痛やかゆみなどの症状が外耳炎だけに特有の症状ではありませんので専門医での鑑別診断が必要です。

 

おおみち耳鼻咽喉科“耳より医学”

 

2023-04-15 05:59:00

咽頭喉頭異常感

慢性咽喉頭炎、副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎による後鼻漏、舌根扁桃肥大、喉頭蓋の形態異常、頚椎(首の骨)異常、あるいは最近では胃酸が逆流するために咽頭の粘膜を障害したり、声帯の後方に肉芽を発生させ、のどに何かつまっている、何かがひっかかっている、塊りがある感じなどを訴える患者様がおられます。

また、原因がはっきりしない咽喉頭異常感を呈する疾患としては、更年期障害、自律神経失調症、心身症などの疾患もあります。

しかし、もっとも注意が必要なのは悪性腫瘍の場合です。喉頭癌の場合は声枯れのため早期に発見されることが多いのですが、咽頭癌や食道癌は外見的には相当進行しない限り発見されません。その多くは咽喉頭異常感を訴えています。

当院では耳鼻咽喉科でのファイバースコープ検査で咽頭、喉頭に腫瘍を含めてはっきりした原因が認められない場合には内視鏡を専門とする消化器内科と協力の下、悪性腫瘍の早期発見に努めています。このような連携の結果、のどのつかえを訴えるものの耳鼻咽喉科領域に異常の無い患者様を連携する消化器内科医へ紹介し、数例の食道癌が発見されております。当院では境界領域の疾患については各科との協力により、精度の高い医療の提供を目指しております。 

おおみち耳鼻咽喉科‘耳より医学

2023-04-15 05:52:00

アデノウイルス感染症

夏には、プール後に症状が現れることからプール熱 とも呼ばれています。しかし、季節に関係なく発生し発熱・のどの痛み眼の充血、目やになどの症状が出ます。熱は1日の間に 39 40 の高熱と、37 38 前後の微熱の間を上がったり下がったりが 4 5 ほど続きます。 その間、頭痛、腹痛や下痢などの消化器症状を伴うこともあります。
 治療特効薬はなく、対症療法を行います。高熱で痛みのある時などは、解熱鎮痛剤の内服や坐薬を使います。眼の痛みや赤みが強い時、眼脂が多い時には、細菌などの2次感染を予防する抗生剤や、炎症を抑える目的で抗炎症剤の目薬を使います。脱水しないようにできるだけ頻回に水分を補給することが大切です。脱水傾向にあるときや肺炎を伴う場合には入院加療が必要です。

おおみち耳鼻咽喉科“耳より医学“

2023-04-09 19:30:00

下咽頭がん

下咽頭癌.jpg

下咽頭は声を出すとともに呼吸の入り口となる喉頭と食道との境目に当たる部位のことです。頚部の奥深いところにあり、発見が遅れ、結果として治療の遅れにつながり、致死率の高い病気です。ファイバースコープなどで繰り返しの詳細な観察が必要な場合もあります。

症状としてはのどの痛みのどの異常感、さらに進行すれば嗄声(声枯れ)や血痰などが認められます。また、頚部のリンパ節転移による首のしこりで受診されることもあります。強いお酒やタバコが誘因になると考えられており、生活習慣にも注意です。治療早期に発見できれば主として放射線と抗ガン剤を組み合わせて行われます。しかし、病状が進行している場合には声帯を犠牲にする手術療法が必要となります。また、厄介なのは下咽頭ガンは食道がんの合併率も高く肺などに転移し易いことです。

いずれにせよ、悪性腫瘍は早期発見が大切です。

おおみち耳鼻咽喉科“耳より医学”

2023-04-03 06:18:00

花粉症の手術治療

アレルギー性鼻炎に対する手術療法を解説します。鼻の粘膜に抗原(花粉やほこりなど)が付着して起こる免疫反応なので粘膜を減量することで反応を減少させます。レーザー手術では一定の範囲のみの粘膜を蒸散し、出血が少ないので外来で行えます。局所麻酔剤のついた綿を鼻の中に15分程度留置し、無痛状態でレーザー光線を10分程度照射します。術後数日間は鼻閉がありますが1週間程度で改善します。注意点は永続的なものではなく1年程度で粘膜は再生します。

一方、出血対策が必要な手術では入院が必要です。入院が可能な患者様には鼻の粘膜を切除します。切除しますので効果はより持続しますが、やがては再生します。その効果をより確実にするために鼻の奥にある分泌やくしゃみ反射に関係した神経を焼灼する方法もあります。

患者様のライフスタイルの応じた手術療法を選択することが大切です。

おおみち耳鼻咽喉科“耳より医学”

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