耳より医学(病気の解説)

2023-04-15 05:59:00

咽頭喉頭異常感

慢性咽喉頭炎、副鼻腔炎・アレルギー性鼻炎による後鼻漏、舌根扁桃肥大、喉頭蓋の形態異常、頚椎(首の骨)異常、あるいは最近では胃酸が逆流するために咽頭の粘膜を障害したり、声帯の後方に肉芽を発生させ、のどに何かつまっている、何かがひっかかっている、塊りがある感じなどを訴える患者様がおられます。

また、原因がはっきりしない咽喉頭異常感を呈する疾患としては、更年期障害、自律神経失調症、心身症などの疾患もあります。

しかし、もっとも注意が必要なのは悪性腫瘍の場合です。喉頭癌の場合は声枯れのため早期に発見されることが多いのですが、咽頭癌や食道癌は外見的には相当進行しない限り発見されません。その多くは咽喉頭異常感を訴えています。

当院では耳鼻咽喉科でのファイバースコープ検査で咽頭、喉頭に腫瘍を含めてはっきりした原因が認められない場合には内視鏡を専門とする消化器内科と協力の下、悪性腫瘍の早期発見に努めています。このような連携の結果、のどのつかえを訴えるものの耳鼻咽喉科領域に異常の無い患者様を連携する消化器内科医へ紹介し、数例の食道癌が発見されております。当院では境界領域の疾患については各科との協力により、精度の高い医療の提供を目指しております。 

おおみち耳鼻咽喉科‘耳より医学