耳より医学(病気の解説)
2023-04-09 19:30:00
下咽頭がん
下咽頭は声を出すとともに呼吸の入り口となる喉頭と食道との境目に当たる部位のことです。頚部の奥深いところにあり、発見が遅れ、結果として治療の遅れにつながり、致死率の高い病気です。ファイバースコープなどで繰り返しの詳細な観察が必要な場合もあります。
症状としてはのどの痛み、のどの異常感、さらに進行すれば嗄声(声枯れ)や血痰などが認められます。また、頚部のリンパ節転移による首のしこりで受診されることもあります。強いお酒やタバコが誘因になると考えられており、生活習慣にも注意です。治療は早期に発見できれば主として放射線と抗ガン剤を組み合わせて行われます。しかし、病状が進行している場合には声帯を犠牲にする手術療法が必要となります。また、厄介なのは下咽頭ガンは食道がんの合併率も高く、肺などに転移し易いことです。
いずれにせよ、悪性腫瘍は早期発見が大切です。
おおみち耳鼻咽喉科“耳より医学”