耳より医学(病気の解説)

2023-04-19 06:36:00

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時の無呼吸は正常の子供にも起りますが呼吸中枢の未成熟性や、出生後の適応発達が遅れている場合には覚醒反応が低下しております。さらに上気道の狭窄など無呼吸からの回復を遅らせる原因があれば、さらに呼吸中枢の低酸素状態が起こり、突然死を引き起こす可能性もあります。特に耳鼻咽喉科領域では扁桃の肥大、アデノイド増殖症、副鼻腔炎、アレルギー性鼻炎など呼吸抵抗の増強因子が影響すると考えられています。また、うつ伏せで寝る子供にも多く、上気道の圧迫や呼吸機能の抑制に注意する必要があります。ご心配な場合には自宅で睡眠中の子供さんの呼吸状態を観察、さらには機械で無呼吸状態を測定します。いずれにせよ、いたずらに心配するのではなく、無呼吸状態は正常状態でも起りますので病的な状態なのか、原因は何かを診断することが必要です。

おおみち耳鼻咽喉科 “耳より医学”

2023-04-19 06:32:00

のどの異物

気道食道異物についてお話しいたします。たとえば魚の骨が喉に引っかかった場合によく「ご飯を丸飲みしましたがよくなりませんでした」といわれ耳鼻咽喉科を受診されます。のどに異物があるとき物を飲み込むとさらに上からその異物を喉の粘膜に押し込むことになり、ほとんどが逆効果になります。

まずは出来るだけ早く専門医を受診し異物の位置を確認し適切な方法で摘出することが大切です。

次に食べ物が気管や気管支に入る気道異物の場合もあります。このときにははげしい咳や呼吸困難を起こします。気道異物は全身麻酔をかけての早期の摘出が必要です。いずれにせよ、どこの異物かを確認し出来るだけ早く対処することが大切です。

 

おおみち耳鼻咽喉科 “耳より医学”

2023-04-19 06:28:00

学校と感染症

・手足口病・ヘルプアンギーナ

 手足の水ぶくれが乾いて、口内炎が治っても、便の中には原因のウイルスが長い間出てきます。トイレの後の手洗いをが大切です。
 口内の発疹で食事を取りにくい、身体がだるい、下痢、頭痛などの症状がなければ、
学校を休む必要はありません。

・伝染性軟属腫(みずいぼ)

 幼児・小児によく生じ、放っておいても自然に治ってしまうことがありますが、それまでには長時間を要するため、周囲の小児に伝染することを考慮して治療します。プールなどの肌の触れ合う場ではタオルや水着、またプールのビート板や浮輪の共用を控えるなどの配慮が必要です。この疾患のために学校を休む必要はありません。

・伝染性膿痂疹(とびひ)

 水ぶくれやびらんからの浸出液を触ったり、引っ掻いたりすると、中の細菌で感染が拡がります。特に鼻の入り口には原因の細菌が沢山いるので鼻をいじらない様にしましょう。病変が広範囲の場合や全身症状のある場合は出席停止とする必要がありますが、病変部を外用処置して、きちんと覆ってあれば、学校を休む必要はありません。

 

おおみち耳鼻咽喉科“耳より医学“

2023-04-19 06:25:00

インフルエンザに対する予防投与について

タミフル、リレンザ、イナビルの予防投与は、治療に使う量の半分をタミフルは710日間、リレンザは10日間、イナビルは12日間です。ワクチンと同様、公的医療保険は使えず自費診療の扱いとなります。発症を予防できるのは、服用している期間だけです。

抗インフルエンザ薬の予防投与を受けるには、原則として、家族など同居する人がインフルエンザにかかっていて、

65歳以上の高齢者

・気管支喘息など慢性の呼吸器疾患がある

・心不全など慢性の心臓病がある

・糖尿病などの代謝性疾患がある

・腎臓病がある。

人に限られます。

入試の直前に家族がインフルエンザにかかってしまったなど、この場合は、薬剤の添付文書に記載されていない使い方(適応外処方)となり、万一、重い副作用が起こっても「医薬品副作用被害救済制度」の対象とはならず、補償が受けられません。

おおみち耳鼻咽喉科“耳より医学“

2023-04-16 20:05:00

百日咳

百日咳乳幼児だけでなく、最近では年長児と成人の発生も報告されます。終生免疫でないのでワクチンをしていても抗体が下がり、感染します。とくに成人では症状が典型的でないので、感染源として問題になります。

症状は一般のカゼ症状で始まり、やがて夜間の激しい咳となり、典型的な場合は咳き込んだ後、終わりにヒューッと吸い込む音がします。 一般的にはセキの割には元気なのが特徴のひとつです。診断は感染初期には困難です。確定診断には血液検査で百日咳抗体価を測定します。治療は咳止めとともに早期にマクロライド系抗生物質を使用します。当院でも疑われる場合にはあらかじめ投与しております。抗生剤の内服で57日間程度で感染力はなくなります。無治療の場合には2週間以内は感染力が強く、3週間を過ぎると感染力はなくなりますが、特に6ヶ月未満の乳幼児では呼吸困難、肺炎、脳症を合併して重症化することがあるので要注意です。予防には三種混合ワクチンが有効です。保育園へ入園する子供さんは早い目の接種が望まれます。
おおみち耳鼻咽喉科“耳より医学“

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