耳より医学(病気の解説)

2023-04-16 20:05:00

百日咳

百日咳乳幼児だけでなく、最近では年長児と成人の発生も報告されます。終生免疫でないのでワクチンをしていても抗体が下がり、感染します。とくに成人では症状が典型的でないので、感染源として問題になります。

症状は一般のカゼ症状で始まり、やがて夜間の激しい咳となり、典型的な場合は咳き込んだ後、終わりにヒューッと吸い込む音がします。 一般的にはセキの割には元気なのが特徴のひとつです。診断は感染初期には困難です。確定診断には血液検査で百日咳抗体価を測定します。治療は咳止めとともに早期にマクロライド系抗生物質を使用します。当院でも疑われる場合にはあらかじめ投与しております。抗生剤の内服で57日間程度で感染力はなくなります。無治療の場合には2週間以内は感染力が強く、3週間を過ぎると感染力はなくなりますが、特に6ヶ月未満の乳幼児では呼吸困難、肺炎、脳症を合併して重症化することがあるので要注意です。予防には三種混合ワクチンが有効です。保育園へ入園する子供さんは早い目の接種が望まれます。
おおみち耳鼻咽喉科“耳より医学“