耳より医学(病気の解説)
2023-04-15 19:30:00
声がれ(乳幼児・小児編)
声がれ、医学用語では嗄声(させい)と言いますが、乳幼児では特に他の症状がない時は、大声で泣いた時に起こります。また、子供さんがせきや発熱を伴っている場合はクループに注意しなければなりません。クループはインフルエンザ菌(インフルエンザウイルスとは違う)、肺炎球菌などで発症し、声帯あるいは声帯の周辺が腫れる病気で時に呼吸困難を引き起こします。注意が必要です。
小児では多くは、スポーツで大声を出したり、無理な発声で歌ったりすることで起こります。声を休めることで軽減しますが、日常生活の中ではなかなか困難なことが多いようです。声は大変微妙な声帯の振動なので出来るだけ保存的に治療することが必要ですが、中学校3年生くらいでも改善しない場合は手術も必要です。
42年間の耳鼻咽喉科医としての経験の中で若年者としては10歳の小学生と、18歳の高校生の2人で喉頭癌を経験しておりますが、子供さんには喉頭癌は極めてまれな疾患です。
おおみち耳鼻咽喉科医院“耳より医学”